今月はじめの日曜日、眠い目をこすりながらOxfordへ行ってきました。お目当てはプライベート プレスの本の見本市です。「プライベート プレス」とは、手の込んだ装丁や活版印刷などを施したアート作品のような出版物のこと。繊細で美しく、珍しい(良い意味で奇妙な)本が多くて面白いのです。完成品はコレクターの手に渡ったり、ミュージアムに保管されることもあります。
ロンドンでブック・バインディング(製本)を勉強していた知人に「ちょっと変わった本の見本市がある」と聞いたのは昨年の夏のことでした。この見本市は2年に1回しか開催されないというレアなイベントで、私も知人に教えてもらわなければ見逃していたと思います。彼女はセンスの良い人だから絶対ガッカリさせられることはない、と信頼してそれから1年以上もこの日を首を長くして待っていました。
↑メイン会場の風景。ここ以外にも建物の廊下や玄関あたりまでブースが並ぶ。
たどり着くとそこは体育館のようなところで、装丁用の革や紙のサンプルをテーブルに並べている素材屋さん、持ち込んだ本棚に自慢の完成本をディスプレイしている製本屋さん、印刷屋さん達がいました。お客さんは、私のように目の保養で来ている人や実際に本を作るつもりで業者を捜しに来ている人などさまざまです。
期待していた通り、会場にある完成本は洒落た本ばかりでした。例えば写真のような一連のミニ・ブック。右端のMの形をした本はその通り色々な種類の「M」がこれでもかというくらい印刷されているユニークな本です。表紙は別珍でできています。青い表紙は活版印刷でプリントされた凹凸のあるもの。波のしぶきのような柄とそれに一体化した味のある筆記体の文字が人目をひいていました。下の写真は右側がトランプの本で左側は詩集です。丁寧に作られているのがこんな写真でも分ると思うのですが、いかがでしょうか。
ほんとうに珍しい素材や色かたちのものがあって驚きました。ガラスケースにいっぱい飾ってうす暗い感じの本屋の一角に置いたらどんなに格好いいだろう、と思わず想像してしまいました。
<後編に続く>
2005年11月22日
*ISEKI AYAKO (tinycrown)
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