ゲスト:前田佐千子さん(キャンドルアーティスト)

キャンドルは寒い季節のもの、と思っているひとがいるかもしれません。そんなひとには、前田佐千子さんのキャンドルをぜひ試していただきたいです。「今夜も明かりを消して、可愛いキャンドルに灯をともす。」一年中キャンドルがある暮しって、なかなか良いものですよ。

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物心がつく頃から、一日ずっと絵を描いていたり、針と糸を使っては形になるものを作ったり、親には風変わりな行動を心配されて育ちました。どちらかというとインドアな幼少時代を過ごしてきた私にとって、今の仕事はその頃と何ら変わらないかもしれません。

ひょんなことから知人の雑貨店でキャンドルの展覧会をすることになり、そのDMを某雑誌のライターが見つけてくれて取材をうける事になりました。その半年後、大阪にキャンドルの店をオープン。趣味が仕事になり、何か見えない力に引っ張られているような感覚さえも覚えながら、要望に応えることだけを考えて4年間必死で動いてきました。趣味のままではやっていけないだろうと、本格的に作り方を習い独学で研究し努力はしてきたつもりですが、私にとっては人生の岐路ともいえる偶然の出来事がこの時期、立て続けにおこったように思います。

2005年に大阪から東京へ引越すのをきっかけに実店舗はクローズし、現在は東京のアトリエでキャンドル教室をするかたわら個人の作品づくりに追われています。相変わらず日々慌ただしく過ごしていますが、アシスタントも増え少しずつ自分の時間もできだした今。ようやく自分の作りたい形や色がはっきりとわかってきた気がします。手作りならではの、微妙な色合いが好き。自分で配合するので、どの色にも茶色を入れて少しくすませる。はっきりした色より、どこか申し訳なさそうな色が好きなのです。形は、誰でも知っている馴染みのあるものを作ることが多くて、それはお菓子の形だったり、四角だったり。馴染みのあるものなのにありえない色合いだったり… どこか違和感のあるものが好きなようです。


※↑4年前から毎年進化しているVida=Felizのドーナツシリーズ。
甘くて美味しそう…?
 
※↑ピンクのカップケーキ。クリームにみたてたショッキングピンクのロウを、本物のように絞って作る。

作品のインスピレーションはとくに海外の本から得る事が多いのですが、それに限らずほぼ毎日何をしていても、ものごとを作品づくりとつなげてしまいます。いわゆる職業病というやつです。洗濯をしていても、お散歩していても、お茶を飲んでいても。その中には、「いいかも!」って思えるものもあれば、「なんだこれ?」って思えるものもありますが、そんな風に頭の中でキャンドルの完成品を想像し、可愛いと思えたものを実際にロウで形にしていきます。キャンドルは灯すものですが、灯すまでは部屋に飾ってあるものなので、私の場合はなるべくオブジェになる色形をと、心がけて作っています。



ただ最近は、さらなるオリジナルの形・色にこだわった作品を作り出そうと考えていて、型から自分で創りだすためにいま試行錯誤しています。きっと春頃にはこれまでと違った感じのキャンドルもお見せできると思います。手にとってドキドキと高揚してもらえるような作品を、いつか自分で満足のいくものが作れるまで作り続けたいと思っています。



*前田 佐千子(まえだ さちこ)
1975年生まれ。「Vida=Feliz(ヴィーダ・フェリス)」というブランド名でオリジナルのキャンドルを制作するキャンドルアーティスト。現在40店舗もの雑貨店やセレクトショップで作品の取り扱いがあるほどの人気。展覧会の詳細や本文中にあったキャンドル教室の情報はこちらでチェックを。 最近の主な仕事は、取扱店のひとつであるLamp harajukuのために作った21種類のバラのキャンドル、アパレルブランドmina perhonenの10周年記念パーティーのために制作した蝶々のキャンドルなど。そんな前田さんがキャンドル作りを始めたきっかけは、実は小学校の授業で作ったエッグキャンドル。そう考えると年季はかなりのもの? 貴重な休日の好きな過ごし方は旦那さんとゆっくり映画や食事に出掛けることだそう。

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